子育て心理学

「寒中のネズミ」親自身が子どもを手元に置いておきたい気持ちvs子どもを愛するがゆえの背中をプッシュ『子育てに役立つ心理学』

子育ての悩み相談の中で、けっこうな割合で登場するのが、

「うちの子どもが私(親)にべったりで依存しすぎて心配です。これから大丈夫でしょうか?」

という相談です。

親であるならば、きっと子どもに早く自立して欲しいという願いはありつつも、

いつか自分の元から離れていく寂しさという気持ちが混在しているのではないでしょうか。

後藤哲哉
子どもにとって、何が一番良いことなのかを考えてみましょう。

寒中のネズミの実験 温室育ちの危険性とは?

寒中のネズミという実験があります。

実験1 急に寒いところにネズミを移すとどうなる?

まず、ネズミを50匹くらい集めて一週間、ネズミにとって最適の環境(ちなみに温度は23℃が最適)で飼っておきます。

一週間たったら、今度は-10℃の寒い所へ移します。

すると30分くらいのあいだにネズミはみんな死んでしまいます。

実験2 少し寒いところからマイナス10度に移すと?

今度は温度以外は最適(温度は10度に設定)にしておきます。

そして、前と同じように一週間経ってから-10度の寒い所へ移します。

すると今度は30分では一匹も死なず、5時間も生き長らえました。

実験3 運動・空腹についても実験してみると?

同じようにして運動、空腹についても実験してみます。

そうすると運動をさせたネズミは体力がつき、食物を与えなかったネズミは空腹に強くなるという結果になりました。

また、寒さ、運動、空腹の三つを組み合わせると一週間で非常に強いネズミとなることも分かりました。

実験4 強いネズミを実験1の状況におくとどうなる?

実験3の強いネズミたちを集めて、もう一週間、最良の環境で飼ってから前と同じように-10℃の所へ移します。

すると5分から10分の間に全てのネズミが死んでしまいました。

ネズミの実験から分かることとは?

この実験から分かることは、温室でぬくぬくな環境にずっといると、

後藤哲哉
いざ厳しい状況に置かれたら、耐えられなくなってしまうということです。

最初の一人での見知らぬところへの旅は恐怖だが貴重な機会

「可愛い子には旅をさせろ」とよく言われます。

  • 旅は心細いです
  • 道に迷います
  • ハプニングも起こります

でも、その経験が成長する機会となるのです。

後藤哲哉
私も心細い経験をたくさんさせられました。(笑)

私の母は、私がまだ小学生になる前に、私を一人でバスに乗せました。

小学2年生には、長い距離ではありませんでしたが、乗り換えのある電車に一人で乗っていました。

新幹線も小学4年生に、一人で乗りました。

後藤哲哉
どちらもすごく緊張してドキドキしたのを覚えています。

また、小学2年生の頃には、一人でお風呂に入っていました。

そういった心細いことをたくさん経験する中で、

一人で積極的に挑むスピリットを子どもながらに培ってきたと思います。

後藤哲哉
私の母の「早く自立しろ作戦」は見事に成功したのです。

「早く自立しろ作戦」は、親も大変

親ならばよくわかると思いますが、

自立に向けた子どもの緊張する行動をサポートする親も大変なのです。

なぜなら、親が子どもに

  1. 詳しく
  2. わかりやすく
  3. 間違えないように
  4. 丁寧に

教えなくてはいけないからです。

後藤哲哉
実例でご紹介しましょう。

「花小金井駅から子ども料金の120円を払って、切符を買ってね。1番線に行って、本川越行きの電車に乗るんだよ。

そして、4つ目の駅の所沢駅で降りて、4番線に階段を使って移動してね。

10分くらいで飯能駅行きの電車が来るから、それに乗ってね。そしたら、また4つ目の駅の武蔵藤沢駅で降りるんだよ。

駅についたら、おうちに電話してね。迎えに行くから。」

大人だったら、この説明を聞けば一発で大丈夫だと思います。

しかし、子どもは1回聞いただけでは不安なので、

何度も何度も聞いて確認します。

もちろんメモも書いてもらいます。

それでも、

  • 電車間違えたらどうしよう
  • 全然違うところに行ってしまったらどうしよう
  • おうちに帰れなかったらどうしよう

と不安になります。

その気持ちを親は

「大丈夫だよ。もし間違えても駅員さんに聞いたら、ちゃんと教えてくれるから。公衆電話があったら、10円渡しておくから困ったら電話していいよ。」

と気持ちの面でも安心を与え、勇気づけなくてはなりません。

この一連の自立への第一歩を後押しする支援行動は、

親にとってとてつもなく骨折る事柄です。

後藤哲哉
子どもが自立をするために、親が面倒くさがると、子どもの自立は遅れます。

遅れるだけではありません。

電車くらいは一人で乗れるようになりますが、

精神的に誰かに依存してしまいがちになって、

いつも誰かに頼りすぎて、

一人でチャレンジしようとする気持ちが芽生えません。

親自身が子どもを手元に置いておきたい気持ちvs子どもを愛するがゆえの背中を押すこと

子どもが自立することが寂しいと感じる親は、いつまでも自分の手元に置かせてしまい、

いつまでも自立ができない大人に育ててしまう危険があります。

後藤哲哉
親が自分の子どもにあまり自立が早すぎなくてもいい、手元に置いておきたいと思う気持ちのベクトルは【自分】ですよね。

子どもを一人でなんでも果敢に挑戦できる人間へと成長させたい、と思う気持ちのベクトルは【子ども】です。

どちらがより子どもを愛していると言えるでしょうか?

後藤哲哉
後者の「ベクトルが【子ども】」の方です。

自立させようとしない親は子どもより自分を愛しているのです。

子を愛するということは、温室の中で守り育てるといことではありません。

赤ちゃんのころはすべてのお世話をします。

100%赤ちゃんは親に依存です。

後藤哲哉
やがて、自立に向けて、外のつらい世界へ少しずつ出て行かせることが本当の愛と言えるのです。

現時点で、うちの子には少し難しいなと思えることがあれば、

親自身の全力のサポートとカバーによって、背中をそっと押してあげることをしてみましょう。

後藤哲哉『世界に通用する「個性」の育て方』日本実業出版社より出版)には、色々な具体例を挙げて、さらに詳しく書いています。

興味を持った方はぜひ読んでみてください。

後藤哲哉
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