
子どもだからといって、こんな理由がどこにも見当たらない説明をするなら、親子関係は必ず亀裂が生じます。
相手をうまく納得させる能力「アサーティブ能力」とは?
実際に何かを言ってもうまく伝わらない人もいれば、逆に相手を言いくるめたり、納得させるのが得意な人もいます。

その一番大きなポイントは「ちゃんと理由を説明しているかどうか」とされています。
相手をうまく納得させる能力のことを「アサーティブ能力」と言います。
相手に禁止の言葉や断るというのは、何より相手にストレスを与える行為。
そのときに明確に理由を説明することで、相手はきちんと納得できるというわけです。
逆にあいまいな理由だったり、意味不明な説明だったりすると、相手のストレスはさらに高まってしまいます。
幼い子どもでも、わかりやすく説明する努力をしよう
「禁止の言葉」という話をしましたが、なぜ禁止なのか、それを子どもが納得できるように説明することがとても大切です。
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まだ年齢的に幼くても、会話ができるようになったら、わかりやすい言葉を使って説明するのです。
もっと言えば、まだ言葉のコミュニケーションが難しいなと思える段階から、優しく丁寧に言葉で説明しようとしてみてください。

最初は、説明したとしても「やだやだやだー」って泣いたり怒ったり、ただダダをこねるだけかもしれません。

忍耐をもって、心を落ち着かせて、またアサーティブ式説明を繰り返すのです。
そこで、めんどくさがって、「ダメと言ってんだから、ダメ!」と言ってしまうと、親子関係が悪い方向へと加速してしまいます。
アサーティブ能力を身につける方法とは?
忍耐深く、説明してあげようとするのは、初めは難しく感じます。
相手がすぐに理解しなくても、感情的にならずに冷静に余裕を持ちながら、話し続けることが大事です。

冷静な言葉で伝えられなければ、荒々しい言葉、威圧的態度、もしくは暴力という手段になってしまいます。
そして、子どもである相手の立場を想定することが大事です。
- お店でジュースを見たら、欲しがるだろうな
- じゃあ、お家で麦茶を飲ませて
- おうちに帰ってきたら、オレンジジュースをあげよう
ということをシミュレーションし、子どもにとって我慢だけでなく、メリットもしっかり伝えることです。

子どもの見たものをすぐに欲しがるという気持ちも汲み取ってあげれば、より言葉による説明にも説得力が増し加わるはずです。
「いちいち説明がめんどくさい!」と思った時に「アサーティブ、アサーティブ」と自分に言い聞かせて、理由付きの説明をトライしてみてください。
叱るべきタイミングも相手の気持ちや状況を考えてあげよう
さらに、今相手の気持ちや状況を考えてあげると、このアサーティブ能力もさらに発揮されます。
学校から帰ったばかりの疲れている子どもに、「ちょっとそこに座りなさい。」と言って、説明し始めるならば、
なかなか理解しようと思っても、何が何だか頭が回らず理解できません。
悲しいことがあった直後に、説得しようと思っても、それどころではありません。

アサーティブ能力を身につけるべき理由 まとめ
子どもの状況を把握し、忍耐強く、しっかりと説明してあげることによって、ちゃんと聞き分けができるようになり、
親子関係が円滑になるだけでなく、子ども自身がすべての人間関係において、アサーティブ能力を使うことができるようになります。